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50th記念モデル
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メーカー
ミッション
オートマ
グレード
50th記念モデル
ボディタイプ
外装色
チョウトンホワイト
年式
1999 年型
走行距離
89500km
乗車定員
6 名
サイズ
長 387 cm 幅 183 cm 高 198 cm
エンジン形式
排気量
3950 cc
馬力
182
トルク
32.2
車検
令和6年10月
ハンドル
駆動区分
4輪駆動
輸入区分
ディーラー
内装色
グレー
燃料区分
ガソリン
幌色

ランドローバー社の源泉ともいえる、1948年のアムステルダムショーで発表された「ランドローバー」は、第二次世界大戦で大活躍したアメリカの「ジープ」を目標にして開発されたモデルといわれている。その「ジープ」がオリジナルでは80インチのホイールベース持っていたのにならって「ランドローバー」の初期モデルも80インチを採用していた。しかし、すぐに8688と延長され、90インチ(実際には93インチ)となり、多くのショートホイールベースのCCV(クロス・カントリー・ヴィークル)90インチ前後のホイールベースを採用している。これは最も積載能力と走破性のバランスが取りやすいからだと考えられている。発売当初の「ランドローバー」は“あらゆる仕事に対応する農民のメイド“や、“どこまでも行く事が出来る乗り物“などのキャッチコピーが付けられ、ホワイトカラーの足ではなく、タフな走破性と高い耐久性により軍用としても用いられた。「ランドローバー」という車名は「大地を放浪する者」という意味をもち、まさにどこまでも走って行けそうなキャッチコピーそのものとなっている。1983年「ランドローバー」はシリーズへのマイナーチェンジに際して「ランドローバー90/110」と改称され、長短2種類のホイールベースを持つ。このモデルが「ディフェンダー」と名称を変更されるのは1990年の事だった。ボディデザインはシリーズを通して大きな変更は無く、特徴的な強靭なラダーフレームをもち、直線基調となるボディは第二次世界大戦後の深刻な鉄不足から、余剰の出ていたアルミ材を用いて作られ、このアルミボディが後のランドローバー社のトレードマークとなっていった。サスペンションにコイルスプリングが採用され、フルタイム4WD化されるなどのアップデートがはかられる。そして「ディフェンダー」は農民や僻地で働く人達だけではなく女王陛下をはじめとする貴族層にも、その卓越した走破性を活かした領地内の足として使われるなど、およそ70年間にわたり生産が続けられた。2016年の生産中止を迎えるまで英国人の誇りとして愛用され、存在し続ける事となった。「ディフェンダー」に搭載されるV8・ガソリン・エンジンは、1960年代にGM傘下のビュイックの設計によるもので、1968年にローバー社が製造権を取得してから、長い間3.5のまま製造され、多くのメーカー(モーガン、TVR、トライアンフ、MG、ランドローバー…)に使用され続けたエンジンがベースとなっている。1990年台後半に日本に数量限定で正規輸入されていた「ディフェンダー90V8 4.0」に用いられたエンジンはエンジンブロックの強度を上げる為、鋳型を変更し、クランクも強化された、当時最新の仕様とされたものとなっている。今回入荷した「ディフェンダー90sw50th記念モデル」は、当時正規ディーラーだったローバージャパン株式会社が、輸入した「ランドローバー誕生50周年記念モデル」となり、専用装備を施して450台の限定車として販売したモデル。ベースモデルとなる「90sw」は、数ある「ディフェンダー」のボディバリエーションの中で、テールゲートを備えた2ドア・クローズドタイプとなり、後席は中央に向かい合うベンチタイプが採用され、乗車定員は6名となっている。「記念モデル」としての専用装備は「ブースト」と呼称されるアルミホイール②50周年記念デカールと後部のヘリテージ・プレート50周年記念ホルダー入りハンドブック50周年記念ファブリックフロアマットフェイシアビルドイン型オーディオシステム6連装CDチェンジャーとなっている。「ディフェンダー90sw50th記念モデル」に搭載されるエンジンはオールアルミ製水冷V8気筒OHVでボア・ストローク94.0mm×71.1mmで排気量3950ccとなっている。電子制御マルチポイントインジェクションと9.4の圧縮比から182馬力/4450rpm32.2kgm/3000rpmのトルクを発揮する。組み合わされるトランスミッションは副変速機付きZF4ATとなり、センターデフを備えるフルタイム4WDとなっている。ディーゼルエンジンとMTが搭載される「ディフェンダー」が多く存在する中で、ガソリンエンジンとATの組み合わせとなるパワートレインは、都市部での取り回しに負担の少ない仕様となっている。足回りは前後ともにリジットアクスル+コイルスプリング+ショックアブソーバーとなる。ブレーキはフロントにベンチレーテッドディスク、リアにディスクを備え、ホイールは16インチが採用され前後ともLT265/75R16Dサイズのタイヤが組み合わされている。インテリアはシンプルなものとなり、ステアリングを通して大径のスピードメーターと小径の燃料、水温、時計の入ったクラスターが配置される。ダッシュボード中央には各種装備の操作ボタンが並び、1DINサイズのオーディオが備わる。また、ダッシュボード下部にはクーラーの吹き出し口があり、副変速機レバーの左上に風量調整ノブが存在する。フラットなフロアから一段嵩上げされる形で配されるフロントシートの助手席シート下には、水埃を嫌う電装品が備わる。また助手席シート前方にはフロントウィンドウ下部に備わる空調用ヴェントを開閉するためのノブが備わるのは「ディフェンダー」ならでは。また後席の斜め上方のルーフに開けられたアルパインウィンドウのおかげで明るい後席スペースとなっている。後部サイドウィンドウはスライド式となり、リアハッチ両端の小窓により後ろ隅の見切りは抜群。全長×全幅×全高は、3870mm×1815mm×1980mmとなり、ホイールベースは2630mm、トレッドは前1495mm1480となる。燃料タンク容量は59で車両重量は1790kg、最小回転半径は6.1mとなっている。新車時価格は399万円となり450台が限定販売された。ローバージャパンにより正規輸入されたV8ガソリンエンジンと4ATのパワートレインを備えた「ディフェンダー」の台数は総計1050台といわれている。ディーゼルエンジンの低速トルクに比べV8といえどもガソリンエンジンとATの組み合わせで、更に抵抗の大きそうなサイズのタイヤという組み合わせとなるが、オンロードでの加速感にそれ程不足を感じる事は無い。ZF4ATはシフトショックも少なくダイレクト感が効いて、そのボディサイズもあわせて街乗りでの取り回しも良好となる。シビアなコンディションのオフロードでの操縦性はMTモデルにアドバンテージが感じられるかもしれないが、ATモデルでもショートホイールベースとフルタイム4WDによるワインディングロードでのロードホールディング性能は2トン近い車両重量を忘れさせる程のものとなる。更に裾野を広げるSUVブームの中で、多様性を認める時代となった現在、この「ディフェンダー」のキャラクターは貴重な存在と言えるかもしれない。丸目2灯のシンプルなデザインの顔つきや直線基調のボディライン、ウォーム&ローラー式の回した時にユッタリと温厚な反応を感じるステアリング。発進時の荷重を柔らかく受け止める後軸と呼応して優しく伸びる前軸…これらは「ディフェンダー」でなければ決して味わえない個性となっている。遠くアフリカの奥地を赤土を巻き上げながら突き進むイメージを描きながら、アスファルトの路地を走り抜け郊外の河原を目指して、ダイレクトなドライビング感覚を味わい、頑丈な造りのボディに安心感を覚えながら走らせる。目的地では、平らなボンネットをテーブルがわりにアウトドアを楽しみながら、心ゆくまでリラックスした気分を味わい気持ちをリフレッシュする。同じSUVでも「ランドクルーザー」や「ゲレンデバーゲン」では持ち得ないテイストは異なる景色を見せてくれるかもしれない。「ディフェンダー」の持つシンプルでナチュラルな魅力は、カテゴリーは異なるがローバーミニにも通じる、ドライバーが自在に動かす事の出来た時代の、クルマの原点に近いものが味わえる事なのかもしれない…