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メーカー
ランボルギーニ
ミッション
マニュアル
グレード
ボディタイプ
外装色
ロッソディアブロ
年式
1995 年型
走行距離
22210km
乗車定員
2 名
サイズ
長 492 cm 幅 204 cm 高 110 cm
エンジン形式
排気量
5707 cc
馬力
492
トルク
59.1
車検
ハンドル
駆動区分
輸入区分
並行輸入
内装色
ブラック
燃料区分
幌色

ランボルギーニ社の名前を世に知らしめ、イメージリーダーでもあった「カウンタック」の後継モデルとして1990121日、モンテカルロのオテル・ド・パリで開催された第二回ランボルギーニ・デイの席上発表されたのが「ディアブロ」だった。「カウンタック」の特徴的なシザース・ドアを継承したボディ・デザインは、ベルトーネ社を去り独立してデザイン活動をしていたマルチェロ・ガンディーニによるもの。しかし1987年にランボルギーニ社はクライスラー社の傘下となった為、ガンディーニによるオリジナル・デザインはそのまま採用されず、クライスラー社のデザインセンターが関与して生まれたデザインといわれている。車名となる「ディアブロ」とはスペイン語で「悪魔」を意味する言葉となるが、1860年代に実在した闘牛の名前でもある。前作「カウンタック」の基本設計を流用しながら、改良・進化を加えたモデルチェンジとなり、パオロ・スタンツァーニによるパワートレインレイアウトもそのまま踏襲されている。「カウンタック」の工芸品ともいわれた円断面鋼管を細かく組み合わせたチューブラーフレームから、コンポーネンツを取り付けやすいヴァカーリ社製となる角断面鋼管を用いたフレームを採用。センターセクションは高張力鋼管で構成され、更にカーボンファイバーのセンタートンネルとスチールのルーフで補強されている。フェンダー、ドアはアルミ合金パネルが用いられ、フロントフード、エンジンフード、ロッカーパネル、バンパー、スポイラーはAuto Claveとよばれるランボルギーニ社製となる新素材が採用されている。4年に及ぶ開発期間を経てCd0.31を達成しながら、絶品の仕上げと強度が得られている。この開発を指揮したのは、マセラティ社からランボルギーニ社に移籍し、技術チーフとして働いたジュリオ・アルフィエーリの後釜となったルイジ・マルミローリ技師。レース畑で育ち、80年にF2に進出したミナルディ・チームで名を挙げ、83年にカルロ・キティ率いるアウトデルタに移籍、アルファロメオ F1チームの技術チーフとなった人物。マルミローリは設計や開発にCAD/CANを用いたが、それはオンラインでランボルギーニ社のコンピューターとアメリカ・ミシガン州ハイランドパークに設置されたクライスラー社のスーパーコンピューターの双方を駆使しての作業だった。走行テストは伝説のテストドライバーとなるボブ・ウォレスの愛弟子バレンティーノ・バルボーニに任され、加えて元WRC(世界ラリー選手権)チャンピオンとなるサンドロ・ムナーリも参画している。イタリア・ナルド・サーキットに於ける最高速テストでは、325km/hを記録し、開発ターゲットであり市販車最速記録をもつ「フェラーリF40」の324km/hを上回った。この時、北イタリアのスーパーカー工房で長年働く職人達と、アメリカの大企業クライスラーのエンジニアが手を取り合って歓喜の声を上げ「ディアブロ」誕生の瞬間となった。それは、かつての「フェラーリ365BB」と「カウンタック」による302km/h300km/hで最高速度が競われた頃を彷彿とさせる、新たな伝説が生まれた瞬間でもあったのかもしれない。創業者フェルッチオ・ランボルギーニは、会社経営から退いてもランボルギーニ社の存在意義は「ディアブロ」により継承されたと言えるだろう。「ディアブロ」に搭載されるエンジンは、「カウンタック・アニバーサリー」に搭載された5.2エンジンと同じ95mmのボア間ピッチをもつL522型とよばれるもの。ジオット・ビッザリーニ設計による「カウンタック」まで使用されたV12エンジンは、ジュリオ・アルフィエーリによりアルミスペーサーを用いて5.2まで拡大され「カウンタック・アニバーサリー」に搭載された。L522型エンジンには、アルミスペーサーは見当たらずエンジンブロックの裾の構造の変更などから、大がかりな設計変更が行われ、ほぼ新設計ともいえるエンジンに進化している。5.2エンジンでは、85.5mmのボア径で限界といわれていたものを、当時の最新技術による極薄シリンダーライナーを使用する事で87mmまで拡大、構造変更によりアルミスペーサーに頼る事なく5mm延長された80mmのストロークをもつことになった。これでL522型エンジンは5707ccの排気量をもつ、水冷60°V12気筒DOHC48バルブエンジンとなっている。圧縮比10.0L.I.E(ランボルギーニ・イニエツィオーネ・エレクトリカ)とよばれるウェーバー/マレリ製をベースとする、ランボルギーニ社によるオリジナル・シーケンシャルインジェクションを備え492馬力/7000rpmの最高出力と59.1kgm/5200rpmを発揮する。このエンジンは全て三元触媒装置が装備され、全世界共通のエンジンスペックとなっている。組み合わされるトランスミッションは5MTとなりリアデフにはLSDを装備する。エンジンブロックの構造変更は、エンジン前方のギアボックスからのプロペラシャフトの通し方にも影響を及ぼした。以前はクランクシャフトの直下を通っていたプロペラシャフトは横に出され、その分エンジン搭載位置が下がりクランクシャフト中心は「カウンタック」に比べ、約10センチ下げられる事となった。また「カウンタック」では、リアクォーター部の高い位置に配置されていたラジエーターをリアタイヤ直後に移動、前後重量配分はやや悪化するものの重心を下げる方向にシフトする事で、より安定した走行性能を得ることに成功している。足回りは、フロント・リアともにダブルウィシュボーン式となりスタビライザーを備え、リアのみダンパー・コイルを2本ずつ装備している。また可変電子制御サスペンションが採用され、硬さを4段階に切り替える事が可能となり、オート・モードも備わる。ブレーキはフロント330×32mmサイズ、リア284×22mmサイズのベンチレーテッドディスクを備え、ブレンボ社製4ポットキャリパーが組み合わされる。ホイールサイズは、フロント8.5J、リア13JOZ17インチアルミホイールを装備し、245/40ZR17335/35ZR17サイズのタイヤとそれぞれ組み合わされている。インテリアは「ディアブロ」デビュー当時、ステアリングホイール正面に前方視界を遮るように大型メータークラスターが装備されていた。1993年に4WDとなる「ディアブロVT(ヴィスカス・トラクション)」をラインナップに加えマイナーチェンジを行った際に、丸みを帯びた小型のメータークラスターに変更されている。(今回入荷した車両は、ディアブロVTと同様のボディ同色ドアミラーが装備され、フロントバンパーはディアブロSE30イオタのものにアップグレードされている。リアに装備された純正スポイラーと併せ、大変貴重なパーツとなっている。)その正面左側に340km/hまで刻まれた大径スピードメーター、右側に9000rpmがフルスケールとなる大径タコメーターが備わり、スピードメーター左側には小径の油圧・油温計、タコメーター右側には小径の水温・燃料計が装備される。センターコンソールには、上から空調システムとアナログ時計、その下に1DINサイズのオーディオ、更にその下にライトスイッチを含むスイッチパネルがレイアウトされている。ハイバック一体型となるシートは、バックレストの角度は調整出来ないが、シート全体の角度調整は可能。見た目はそれ程クッションの厚みは感じられないが、ホールド性が高くかけ心地の良いものとなっている。3本スポークのステアリングホイールは、チルト/テレスコピックの調整ができるものとなる。明確なゲートを持つシフトレバーは、角度変化は大きいが操作力は軽く指の動きだけでシフトが可能となる。「カウンタック」で重いと定評のあったペダル類の操作感も、軽くスムーズに動かせるようになり、サイドウィンドウも普通に下まで下ろせるようになった。「カウンタック」から150mm延長されたホイールベースの恩恵で、スポーツカーとしては窮屈な思いをせず、低い車高とはなっているがゆったりとスペースがとられていて、視界がしっかりと確保され防音性も考慮されている。このキャビンの設えはクライスラー社側の考えが大きく影響したものとなり、内装デザイン担当もクライスラー社のデザイナー、ビル・デイトンが起用されている。全長×全幅×全高は4460mm×2040mm×1105mm、ホイールベース2650mm、トレッド前1540mm、後1640mm、車両重量1576kgとなっている。燃料タンク容量100で、最小回転半径は6.6m、新車時価格は2450万円。「ディアブロ」シリーズ全体の生産台数は2903台となり、そのうちベースモデルとなる「ディアブロ」は873台となっている。メーカー公表性能値は0100km/h加速4.09秒、01km加速20.7秒、最高速度325km/h。カーグラフィック誌による実測データは0100km/h加速4.7秒、0400m加速12.7秒、01km加速22.6秒、最高速度275km/h(56000rpm)となっている。ガッチリとした剛性感の溢れるドアヒンジをもつシザースドアは、ストラットで支えられる為軽く、大きな力を使わずに跳ね上げる事が出来る。低い目線と2mを超える車幅は気を使わされるが、開けた視界に助けられ走っているうちに慣れてくる。5MTのシフトレバーは左手前が1速となる、通称レーシングパターンとなるが根本に切られたゲートから想像する程、ストロークは小さくはない。インジェクション装備となるL522型エンジンはセル・スタートで、いつでも確実に始動する。背後で響くエンジン音は150km/h程度迄なら、キャビンの防音効果が一枚上手と言えるかもしれない。乗り心地も見事に洗練され「カウンタック」よりはるかにフレンドリーと感じるだろう。しかし、ひとたび5000rpmあたりまでエンジン回転を上げて行けば、際限無く湧き出るトルクによりドライバーを圧倒する加速感を味わえる。これはターボ過給による瞬間の炸裂感とは異なり、大排気量・自然吸気エンジンならではの息の長い、太いトルクを感じられるものとなる。反応鋭く少しでもアクセルを開ければたちどころににGが立ち上がり、リニアなレスポンスに魂を奪われるだろう。無理にコーナーを攻めなくても出口から猛然と脱出していく時の快感は筆舌に尽くし難く、全開にするのに恐怖を伴うような強烈な加速に身を任せているだけでも存分にドライビングの悦びが得られるはず。まさにスーパーカーの中のスーパーカーといえるだろう。創業者フェルッチオ・ランボルギーニがランボルギーニ社を去ってから誕生した「ディアブロ」は彼とは関係ないと言えるかもしれない、それでも「ディアブロ」がスーパーカーの王者としてランボルギーニ社の存在をアピール出来るのは、フェルッチオの功績といえる。フェルッチオ・ランボルギーニが存在しなければフェラーリを凌ぐスーパーカーを作るという想像力はこの世に産まれる事は無かった。想像力は何をするにも、一番大切なものといえるかもしれない…