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メーカー
ルノー
ミッション
マニュアル
グレード
ボディタイプ
外装色
ブルーメタリック
年式
1981 年型
走行距離
1.150km
乗車定員
2 名
サイズ
長 362 cm 幅 178 cm 高 148 cm
エンジン形式
排気量
1397 cc
馬力
160ps
トルク
21.4kgm
車検
ハンドル
駆動区分
後輪駆動
輸入区分
中古並行輸入
内装色
ブルー
燃料区分
ガソリン
幌色

ルノー公団(ルノー社は1945年〜1990年まで国営化された公社で、1990年以降株式会社となる)は、1973年に傘下のアルピーヌがA110WRCのタイトルを獲得して以降もラリーに参戦し続け、販売の中核となる5をベースにFWD5アルピーヌやA310で参戦するが、苦戦を強いられていた。そこで5をベースにミッドシップ化した戦闘力のある新型の開発に取りかかったのは、初期構想から約2年経た1977年だった。開発は1976年に設立されたルノースポール(1969年に傘下におさめたゴルディーニと1973年に吸収したアルピーヌを合併した組織で2021年から再びアルピーヌとなった)が担当し、当初A310用のV6エンジン搭載も検討されたが、F1で培ったターボの技術を活用する事に方向修正する。その時すでに旧型だったが、耐久力のある鋳鉄ブロックの4気筒OHV、ボア×ストローク76.0mm×77.0mm1397ccがベースエンジンとして選ばれた。このエンジンにボッシュKジェトロニック燃料噴射と巨大な空冷インタークーラーを備えたギャレットT3ターボチャージャーを組み込んで、更に圧縮比を低めの71とし、ターボ過給圧を0.86barまで上げたセッティングを施した。この結果ベースエンジンに比べ実に馬力で+70%となる160馬力/6000rpm、トルクで+50%となる22.5kgm/3250rpm(21.4kgm説あり)が得られ、このエンジンがルノー5ターボ1に搭載される事になる。ルノー5ターボ1のボディデザインはシトロエンでCXGSを作り上げ1974年にルノーデザインセンターに移籍した、ロベール・オプロンのファミリーで部下のマルク・デシャンが原案を作り、それをもとにベルトーネのマルチェロ・ガンディーニがプロトタイプを製作した。1978年パリサロンでこのプロトタイプが発表され、1980年ブリュッセルショーで生産型がデビューとなる。リアフェンダーの張り出しが衝撃的な印象を残すボディデザインは、どのクルマのデザインにも類似したものが無く5のイメージをしっかりと残しながらオリジナリティが高く、時代に流されずとても力強い。2000年にルノー社は再びこのイメージを利用して「クリオ・ルノースポールV6」を発表するが、これ程のインパクトは残せなかった。足回りはフロントにベースとなる5ゆずりのダブルウィッシュボーン/トーションバー、リアにはアルピーヌA310からのダブルウィッシュボーン/コイルを強化して用いている。ステアリングはノンパワーアシストながら、すえ切りでもそれ程重くなく各部強化によりシャーシ剛性は高く、路面からの入力をしっかりと受け止める。ブレーキは四輪ベンチレーテッドディスクを備え、タイヤは専用リムを必要とするミシュランTRXとなる。サイズはフロント195/55VR340、リア220/55VR365となる。ルノー5ターボ1の特徴となる専用のインテリアは、イタリアの建築家兼工業デザイナーのマリオ・ベリーニによるもの。L字型の2本スポークステアリングや印象的な色使いのシート生地などがモダンアートの様にアヴァンギャルドな世界を演出している。マリオ・ベリーニは同時期にランチア社の「ベータ・トレビ」のインパネデザインも独特な表現法を用いて手がけている。ドラポジはミッドシップといえどもベースとなる5と同じくアップライトとなり、乗降性も良く視界や見切りも良好。しなやかな乗り心地でオーバーフェンダーが、ボディから飛び出したタイヤを覆っているレーシングカースタイルながら、快適さが確保されている。OHV特有のサウンドが響くが、振動はそれ程無く、3000rpm少し手前からタービンノイズが聞こえ出して、35004000rpmを超えるとターボが有効となり爆発的に加速感が増す。5000rpmを超えると瞬く間に6200rpmから始まるレッドゾーンまで電光石火で吹け上がり、矢継ぎ早のシフトチェンジを迫られる。5速ミッションは前後のストロークは長めながら左右の動きは少なく、確かな手応えを感じさせる。エンジン縦置きの為オルガン式のアクセルペダルによるオンオフでのスナッチは感じられず、しっかりとした駆動系である事が体感出来る。ロールの少ない足回りを利用してコーナー途中から早めにアクセルを開いて、コーナー脱出時にフルブーストをかけられるように走らせ、これがキマると充実感で心が満たされ、こんなクルマとのやりとりでクルマとの親密度が高まり楽しみが増す。全長×全幅×全高は3665mm×1750mm×1325mm、ホイールベース2430mm、トレッド前1345mm、後1470mm、車両重量970kgで同時期のアルピーヌA310V6980kgである事を考えると、けして軽くは感じられないがドアとルーフはアルミ製、フェンダーとボンネットは樹脂製となる。メーカー公表性能値は、最高速度200km/h0100km/h加速6.9秒、0400m加速15.0(当時の日本仕様ポルシェ911SC0100km/h加速が7.0秒だったのを考えると、ポルシェを上回る加速性能だった事になる)。カーグラフィック誌実測値は、最高速度196.7km/h0100km/h加速8.4秒、0400m加速15.3秒、01000m加速28.8(ルノー5ターボ1の測定は実施されず、5ターボ2による測定値となる)ルノー5ターボのWRC挑戦は、ルノースポールによるGr.4ワークスカーによるもので、250馬力と30kgmのトルクを発揮したといわれ、1981年の開幕戦となるモンテカルロラリーでWRC初のターボ車での勝利を記録する。翌年の1982年にはツールドコルスで勝利しGr4時代を終える。1983年からのWRCはグループB規定の中で開催され、5ターボは主戦場を国内選手権に移してラリーを戦っていた。それでもスポットでWRCに参戦する中、1985年にグループB規定で作り直した1.6リッターで400馬力を発揮する5MAXIターボでツールドコルスに勝利する。この5ターボによるWRCでの3回の勝利はともに、ルノーの伝説的ドライバー、ジャン・ラニョッティによるものだった。ルノー5ターボ1の新車時価格は、当時ルノーの代理店だったキャピタル企業では、数台しか上陸しなかったルノー5ターボ1を車検無しの状態で790万円前後で販売。生産台数は1980年〜19826月迄に1338(1362台、1820台という説あり)であった。